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date2016年5月24日

Vol 4 就活アウトロー採用参加者のその後|佐藤政也さん「生きるのがずいぶん楽になりました」


早いものでアウトロー採用も発足から4年目を迎えました。
多くの若者が就職していきましたが、それぞれひと癖もふた癖もある彼らは、果たして企業に何をもたらしたのでしょうか? そんな疑問に応えるべく、キャリア解放区の代表・納富が、就職先の企業に訪問して話を聞いてきました。

今回インタビューを受けてもらったのは、2014年の就活アウトロー採用に参加し、gCストーリー株式会社に就職した佐藤政也さん。採用担当者の安部さんの話も交えながら、当時の心境や、入社後の変化について語ってくれました。

エリートコースに戻れない悔しさがあった

【納富】安部さんから見た佐藤くんの第一印象は。

【安部】ああ。人生こじらせてるな~と。

【納富】佐藤くんはアウトロー採用に参加するまでどんな人生を送っていたんですか?

【佐藤】「良い大学を出て大企業に入れば幸せな人生を送れる」という考え方をする両親のもとで育てられました。僕自身もその価値観を信じて勉強して、地元の進学校に通っていたんですけど、諸事情により高校を辞めざるを得なくなってしまいました。高校を辞めてからは18歳まで農家やホテルで住み込みの仕事をしていました。その後は上京してフリーライターなどをやっていたんですが、24歳を過ぎた頃にフリーランスで生活していくのは厳しいと感じ始めたので、就職しようと思い立ちました。とはいえ高校中退で職歴もなく、この時点では仕事を選り好みすることが難しかったので、キャリアと学歴を立て直す意図から、需要の多い介護業界で働きながら通信制の福祉系大学に行くことを選びました。そこで3年半ほど働いたんですけど大学卒業が近づくにつれ、自分は何のために働いているんだろう? 自分の人生って結局何なんだろう? ということが分からなくなってしまった。アウトロー採用に出会ったのはそんな時期でした。

【納富】なるほど。アウトロー採用に参加してみてどうでしたか?

【佐藤】高校を中退するまでの自分は、いわゆるエリートコースのレールの上に居て、高校を辞めたことでそこから外れてしまった。レールに戻りたいという思いはずっと持っていたけど、戻れないことも頭で分かっていたから、悔しかったんですね。レールから外れて生きていることがコンプレックスだった。

【納富】確かに。最初の頃はちょっとプライド高そうな雰囲気がありましたもんね。

【佐藤】だけどアウトロー採用で出会った他の参加者の多くは、そもそもレールがないことを前提として生きているというか、良い学校とか大企業とかいうものを最初から信じていないようでした。彼らとの出会いを経て、世の中には本当に色んなひとが居るし、人生に正しい答えなんかないなと思えるようになった気がします。以前の僕は常に答えのある人生を生きようとしていたけど、ありもしない答えを追いかけていたから自分は苦しかったんだなって。

【納富】とはいえ、参加者同士でワークショップをやってる中では、まだまだプライドの高さが見え隠れしてましたね。佐藤くん自身が感じているところはあったんだろうけど、それを表に出すことはあまりないように見えました。

【佐藤】そうですね。自分の悩みや考えをひとに話すことが苦手でした。自己開示することはあんまりなかったですね。

【納富】そこから安部さんやgCストーリーさんとの出会いがありました。

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本心では自分をさらけ出したかった

【納富】貴社には特別な採用スタンスがあるように思うのですが。

【安部】当社の採用基準は、理念に共感できるか。本当にそれだけです。僕らの考えていることとして「貢献のために成長していこう」というのがあります。社員に対する評価も、そのひとがどれだけ貢献をベースに生きているのかだけを基準にしています。売上の数字とかはまったく見ないんですよ。「貢献って言っているので、表面上は合わせておくか」という程度の心持ちのひとが入社して、売上を上げても評価されません。だから選考を進めていく上でも、どれだけ自己開示が出来るかがとても重要になってきます。

【納富】自己開示できないと入社できない会社に、自己開示が苦手だった佐藤くんが選考を受けたわけですね。それでも入社出来たってことは、佐藤くんの中に何かしらの変化があったと思いますが、そこはどうでしたか?

【佐藤】変化というか、自己開示することが必要だと、当時の僕も心の何処かで気付いていたと思います。僕はアウトロー採用で当社の他に、もう一社内定をもらっていました。どちらに入社すべきか考えましたが、本当にしっかりとした自己開示をする必要があるgCに入社を決めました。自分をさらけ出したい、だけどプライドがそれを許さないという状態がずっと続いていたので、自己開示が必要な環境に行きたいと本心では思っていたんじゃないかと、今振り返るとそんな気がします。

【納富】なるほど。安部さん、最終的に採用の決め手は何でしたか?

【安部】判断基準としては、そのひとがうちに入社して幸せになる姿を想像できるか。というところだけですね。佐藤くんの場合は、人生がこじれている分、過去への思いがすごく強くて苦しんでいました。ただ、選考の中で自己開示が出来そうな兆しが見えてからは、その思いの強さを前に向けられたらすごいパワーを持っているだろうなと感じました。なおかつひとの痛みを本当に分かっているので、そういうひとが他人のために働いてくれたら、きっと多くのひとを幸せに出来るし、そうなれば佐藤くんにとっても幸せだろうなと。そこが見えたので、自信を持って内定の判断が出来ました。

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葛藤する様子が社内に良い影響を与えている

【納富】入社してから1年。働きぶりとしてはどんな感じですか?

【安部】スキル面では良い状態ですね。色んなことを経験出来ているので。根が真面目だから基本的にはちゃんとやるんですよ。ちゃんとやる、ちゃんと躓く、ちゃんと怒られる、ちゃんと回復する、ということを繰り返しているので、良いサイクルには絶対入っています。あとはひたすら自分と向き合ってやっている感じですね。それからもうひとつ。佐藤くんの存在は社内的にすごく影響力があって、彼の発する言葉だとか、行動している姿を、結構みんなが見ている。頑張っている姿も、苦しんでいる姿も含めて、彼の葛藤する様子が社内には逆に良い影響を与えているようです。

【納富】悩みとかコンプレックスを見せるようになったからですかね。

【安部】そうですね。新卒の社員からも「格好良いひとだな」って言われているみたいです。一時期「佐藤語録」みたいなものも出来ていました。

【納富】佐藤語録ですか。すごいですね。

【安部】影響力はもともとあったのでしょう。だけど、ずっと長いことしまい込んでいたのでしょうね。それが徐々に開放されているなと感じます。ただ、僕としてはもっと突き抜けられるだろうなと思っています。

【納富】アウトロー採用を経て入社して、今に至るまで、佐藤くんの中で色んな変化があったと思います。仕事以外の面でも何か変わりましたか?

【佐藤】変わりました。会社の外でも、雰囲気が柔らかくなったねって言われることが多くなりました。仕事とプライベートっていうのはなんだかんだで直結しているので、仕事での影響が生活全体に出ていていますね。生きるのがずいぶん楽になりました。今まで着込んでいた鎧を脱いだ感じというか。本当に楽になった。

【納富】やはり柔らかくなったと言われるんですね。初めて会った時と今日の表情を比べると、そういう笑い方をするひとではなかったです。

【安部】そうですね。今はずいぶん良い顔をするようになりましたよ。

【佐藤】あとは自分の人生に誇りを持てるようになりました。生きてて良かったなと。それがいちばん変わったところかな。

プロフィール

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安部孝之

神奈川県出身。gCストーリー株式会社で人事労務を担当。理念共感を重視した採用を推し進める中で、中途採用における人材のミスマッチに悩んだ結果、普通の採用では無理だと思い立ち、アウトロー採用に参加。

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佐藤政也

宮城県出身。地元の進学校に通っていたが経済的な事情があり中退(その後通信系の福祉系大学を卒業)。上京後はフリーライターや介護職を経験。アウトロー採用を経てgCストーリー株式会社に入社し、現在はマーケティング室に所属。

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