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date2015年6月25日

アウトロー採用は新卒採用のメインストリーム!?曽和利光×若新雄純 特別対談

『アウトロー採用』こそ、これからのメインストリーム?『就活アウトロー採用』プロデューサー×採用のプロフェッショナル特別対談~『アウトロー採用2014』報告会~


(写真左から、曽和さん、若新、納富)

パネルディスカッション登壇者
プロフィール

曽和利光さん

株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長 1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルート入社、人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立、組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。  http://jinzai-kenkyusho.co.jp

『就活アウトロー採用』プロデューサー 若新雄純

——司会 納富順一

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今の若者を取り巻く環境は、人を好きになる力を減退させている

——まず曽和さんは、これまで行われたパネルディスカッションを振り返って、『就活アウトロー採用』(以下アウトロー採用)についてどんな印象を持たれましたか?

曽和:『アウトロー採用』については面白そうだとは思っていましたが、企画名を聞いたときは正直、デザインのインパクトも相まって「キワものっぽさ」を感じていました(笑)。でも今回のイベントに参加してみて、内容的には私が採用のお手伝いをしている内容とまったく同じだとわかりました。全然アウトローではなく、まさにメインストリームだと思います。  そのことがよくわかる一例が「志望動機」です。今の就活では当たり前のように使われていますが、これからその会社のことを理解しようとしている段階の人が、いきなり「志望動機」なんて言える訳はないんですよね。恋愛にたとえると、これから好きになろうとデートをする状態で、いきなり好きかどうかをはっきりさせなければならない状態です。だから私が採用をお手伝いする場合は、まず飲み会?的な懇親会などを行い、そこで自然なコミュニケーションを重ね、若者たちが面白そうな会社が見つかり、もっと深く知ろうと思った段階で、実際にその会社を訪問する――それはまさに『アウトロー採用』が行っていることと同じです。そのフィット感にビックリしています。

——そんなに共感いただけるとは思っていませんでしたが(笑)、そういえば恋愛の例えといえば、若新さんもよく使いますよね。

若新:いや、その例えをするとさまざまな意味で誤解を招くので、最近はあまり言わないようにしていますが……でも決して曽和さんを否定している訳ではありません。ただし、恋愛の話の本質としては、人間同士の営みが大前提で、それを技術やシステムが先に行くということは本来あり得ないことだということです。でも今私たちは、その技術やシステムに負けつつある状況にある。

曽和:その影響は今の若者たちのなかに現れていて、彼らはすべての選択肢を理解してからベストな選択をしなければならないと思い込んでいる。それはインターネットなどであらゆる情報を手に入れることができるからでしょうが、でもそれは本来人間が持っている、身近な人を直感的に好きになるような、本質的な人を好きになる力を減退させている気がします。

若新:本来は身の回りのことを理解した上で、徐々に広い世界を知っていくべきなのに、今はいきなり広い世界にアクセスできる権利を誰もが持ってしまっている。結果、就活においても本来は働くという本質を知ってから企業を知る段階を超えて、いきなり企業情報にアクセスできてしまう。その状態で「志望動機」を言えと言われても、学生が本質的なことを言える訳はありませんよね。

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若者は画一化された価値観を見破りつつある

——昨今、企業が多様な人材を求めると言われて久しいですが、どうもそれが達成できていない気がします。曽和さんはどうしたらそれが達成できると思われますか?

曽和:私のこれまでの経験から言うと、採用担当者は本音で言えば多様性を受け入れたくないんですよ。多様性は、表現を変えれば「嫌なヤツ」を受け入れることです。でも一般的に採用担当者は受容性の 低い人である可能性が高く、そういう人とは基本的に相性が悪い。結果、自分たちと同じような人材ばかりを多く採用するようになり、組織は同質化していく。そしてそれは、組織の活力を失う方向に向かわせます。だからこそ人材の多様化が強く言われている訳ですが、それを解決するには小手先の採用手法を変えただけでは変わらないでしょう。

若新:日本において同質化が一定の効果があったことは事実ですが、今はそれに限界が来ていて、同質化を手放さなければならないところに来ているのだと思います。そこで私は、1社で多様な人材を受け入れるのが難しければ、企業ごとに異なる人材を求めていくかたちで多様化すればいいと思っているんです。実際、同じ業種や職種でも、ガチガチに真面目な若者が欲しい企業もあれば、それこそパネルディスカッションに出てきたマリオ(内山)のようなイケイケの若者を求める企業もある。その企業ごとの違いを明確化すればいいと思うんですよね。

曽和:採用する企業は、どうしても「人材は多様であるべき」「マニュアル化はすべきではない」という画一化された採用の価値観に引っ張られがちになる。その辺は企業側から積極的に変えていくべきでしょうね。

若新:若者はその決まりきった価値観の裏側をすでに見破りつつあるんですよ。だから企業側も耳障りのいい採用のコピーなどを考えず、その企業ごとに求める人材の本質的な部分を伝える努力をしてほしいですよね。

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結局採用は、人で決まる

若新:こうした企業側の固定概念の根底には、母数を増やすことに重きを置く今の採用システムがあり、それを作ったのはマス採用のあの会社さんですよね(笑)。

曽和:でもこの母数を増やすというやり方は、それ以前の学歴などで決まってしまった閉鎖的な採用ルートを開放する意味で、一定の効果が出てはいました。しかし今は制度疲労を起こしていると思う。次の仕組みが必要になっていると思います。

若新:でも日本という国の残念なところは、制度疲労が起こった頃に、そのシステムがメインストリームになっている(苦笑)。

曽和:そうなんです。だから本来、母数を増やすような採用に向かない中小規模の企業まで、そういう採用をしてしまい、結果につながらない。だから私は欲しい人材にピンポイントでアプローチする、『アウトロー採用』のような「ゲリラ採用」をしよう!と提案しているんです。

若新:おかげさまで「ゲリラ採用」のひとつとして、一定の効果を出すことはできていると思います。『アウトロー採用』のなかには中小、ベンチャーだけでなく大企業も含まれているんですが、「ゲリラ採用」とわかって向き合っているからか、若者たちはそのブランドに気をとられず、きちんと自分とフィットした企業を選んでいます。

曽和:結局採用は人と人なんですよね。私も長年人事の現場にいますが、大小どんな企業でも、入社を決めるのもやめるのも、最後は「人」なんです。そしてもうひとつは、その会社が自分のことをよくわかってくれると実感できることです。私自身、新卒で入社したリクルートでは、「自分のことを良くわかってくれる」と感じ、自ら手を挙げて入社を希望しました。それができれば、企業の規模やブランドではなく、若者から「好き」という気持ちで選んでもらえるようになると思います。

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あらゆる若者と企業が集まる「ゆるいカオス」を目指す

若新:とはいえ、今主流のマス採用をすぐに変えるのは現実的に難しいと思うんですよ。だからそのシステムはある程度認めつつ、そこからこぼれ落ちてしまう人たちでも選択できる採用の場所を作っていくことが大切なんだと思います。

曽和:結局、就活全体を変えるためには、採用システムそのものよりも、採用する側である企業自身が変わるのが一番早いんです。企業はもっと『アウトロー採用』のようなマス採用以外の場にも面白い学生を探しにきてほしい。そして若者が魅力を感じる企業も積極的に活用するようになれば、今度は学生側がマス以外の採用にも目を向けるようになり、結果としてシステム全体が変わっていくと思います。

若新:そのマス以外のひとつとして、ぜひ曽和さんの取引先をどんどん『アウトロー採用』に紹介してください(笑)。でも我々が『アウトロー採用』で掲げる「ゆるいカオス」は、あらゆる企業が利用しやすいようになっていると思うんです。一般的に企業が就職サービスを利用する際、そのサービスのコンセプトと企業側のコンセプトが合うかどうかで判断すると思いますが、『アウトロー採用』にはそのコンセプトすらない(笑)。そして企業にも合わせなければ、若者にも合わせない。先の「体験者本音トーク」に登壇したマリオ(内山)から相良さんまで、個性が全く違う若者たちを許容しつつ、どちらにも合わせないのが、我々の作り上げたい「ゆるいカオス」なんです。そしてそのなかでこそ、今のSNSなどのシステムや技術を活用すれば、新たな企業と若者とのつながりの形ができてくるのだと思います。

曽和:実際、若者側はすでに着実に変わってきていると思います。高学歴で優秀な成績を残している学生が、企業の規模やブランドで選ばず、あえていきなりベンチャーを選ぶ例も見られます。そういう優秀な若者たちを求める企業にとっての新たな採用の場が活性化すれば、企業側も変わっていくと思います。そのためにも『アウトロー採用』には一層頑張っていただきたいですね。

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