「バイトリーダーもサークル代表もうんざり」「レアな人材に会いたい」人事の目線から

人事担当者として15年以上活躍した青野さんが考える従来の採用の問題点とこれからの採用、そしてキャリア解放区の目指す姿とは?


今回インタビューを受けてもらったのは、青野光一さん。インテリジェンス、リブセンスといった企業に在籍し、人事担当者として15年以上活躍した青野さんが、従来の採用の問題点とこれからの採用、そしてキャリア解放区の目指す姿について語ってくれました。

従来の就職活動について

インテリジェンスやリブセンスで人事採用に関わって思ったのが、自分で考えて自分で行動するひとに出会える確率はとても低い、ということ。採用ホームページからの応募も「みんなが応募するからついでに応募しとこう」とか「聞いたことのある社名だからエントリーしとこう」というような動機で、はっきりとした自分の意思を持たず、その場の雰囲気に流されて応募してくるひとが多いと感じました。人事目線から見るとそういう方との面接に疲弊することがあります。アルバイトでのリーダーシップの話だとか、大学サークルでの副幹部の話なんて、面接用に作られたであろう似たようなエピソードばかりを毎回聞かされますから。もっと面白い話あるでしょ! って思ってしまいます。

キャリア解放区との出会いは

最初のきっかけはアウトロー採用の前身である「デコボコラボ」という採用イベントにゲストとして参加したことです。その後アウトロー採用にリブセンスの採用担当として参加したんですが、思った以上に自分の考えをしっかり持っているひとが多いと感じました。アウトロー採用は参加者の多くが、他のひとと違う道を自分の意思で選んできているので、ひとりひとりにユニークなエピソードがあります。なので話を聞いていてとても面白いし、聞き甲斐があります。これから社会の変化が激しくなる中で、自分で考えて決断しなければならない状況はますます増えてくると思いますが、そういう状況下で、しっかりとした自分の意思や、決断力を持っているということはとても重要です。
アウトロー採用の参加者は「どこで働くか」よりも「誰と働くか」ということを大切にしている印象があります。会社の名前ではなく、そこで働く個人を見て、お互いの目的意識を共有出来たところで入社を決めるという方が多いですね。既存の就活媒体に興味を示さなかったひとたちなので、周囲と比較して就職先を決めるというよりは、自分を理解している企業を探しているという感じですね。

人事の目線から見たアウトロー採用

アウトロー採用の参加者と、企業の採用担当者が、直接話す採用イベントでは、企業側はこの時、自分の企業名や役職を明かすことなく参加者と接するんですが、これはなかなか新鮮で面白いなと感じました。人事という肩書きありきで話をしてしまうと、どうしても立場上、人事の方が上になってしまいがちなので、フラットなコミュニケーションを取ることが難しくなります。けれど肩書きを伏せて参加者と接するアウトロー採用では、参加者の側に遠慮がなく、自分の思いをストレートに喋ってくれますから、その分こちらの思いも伝わりやすいですし、コミュニケーションがすごく取りやすい。その分、人事の方の力量も問われるかと思いますが。

これからの採用について

人事に関わる仕事をする中で、「失礼のないようにスーツを着ましょう」とか「身だしなみを整えましょう」とか、よく言っていたんですが、10年以上続けているうちに、そのような就職活動の文化に違和感を持ち始めました。時代の変化と共に就職活動の在り方も変わるべきなんじゃないかな、と。シリコンバレーとかでは、ビールを飲みながらスタッフと話をして、個人と会社の目的が合ったら採用とか、ふらっと会社に遊びに行ったら採用されただとか、そういう話が結構あるんです。日本にもそれくらい緩い就活があって良いと思うし、場合によってはそっちの方が自然なんじゃないかなと。そういう活動をやっているのがアウトロー採用です。イメージとしては、10年前には型通りのお見合いみたいな採用方法しかなかったわけですけど、これからはもっとカジュアルにランチに行くような感じで、気軽にお話が出来る採用方法が必要な時代になっていくんじゃないかなと思います。

キャリア解放区の今後は

キャリア解放区のイベントでは毎回違う一点ものが入荷される感じですね。僕がリブセンスの人事として参加した回では、フリーランスで働いている30歳過ぎの方も参加していました。アウトロー採用の参加者ってそういうひとが多いのかな? と思いきや、次の回に参加したひとたちはまったくタイプが違っていたりだとか。多種多様な参加者が集まるので採用側としてはとても面白い。
キャリア解放区では、他の採用方法だとなかなか出会えない人材と出会える場を、これから企業様に提供していこうと考えています。キャリア解放区のイベントは一般企業の面接とは違い、若者の個性を発見できる場です。ひとりひとりがユニークな個性を持っているので、レアな人材を紹介できればと思いますね。

プロフィール

青野光一さん

1999年に大阪大学を卒業。新卒としてインテリジェンスに入社後、キャリアアドバイザーとして、IT業界を中心とした人事に約11年間携わった。その後リブセンスに転職し、新卒採用や中予採用に4年間関わる。現在はキャリア解放区にて採用支援を行う。