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date2015年9月1日

企業名は知らないまま対話する『就活アウトロー採用企業セッション』の詳細レポート

2015年7月『就活アウトロー採用2015』の企業セッションを開催しました。就活アウトローたちは、何を考え、どう企業と関わろうとするのでしょうか?


2015年7月『就活アウトロー採用2015』の企業セッションを開催しました。企業セッションとは、アウトロー採用の特徴がぎゅっと詰まったプログラムです。参加企業は最初に企業名を明かさぬまま、若者たちと対話します。若者たちも出身大学や年齢などを明かさないので企業と若者、ではなく、人と人、の対話となります。 事前のワークショップを経て価値観のあいそうな人たちとグループを作り、企業の経営者や人事の方と対話します。今回は話すテーマもグループごとに意図を持って決めたようですが、果たしてうまくいったのでしょうか?

企業担当者を丸裸。人間の本質に迫るテーマを設定

では実際、各グループどのようなディスカッションが行われたのでしょうか。

基本的には価値観の合う参加者が集まり、グループが形成されていったのですが、あるグループは、「どのグループの意見とも合わない」という価値観の元に集った、本当に就活アウトローらしい参加者で構成されていました。

そこでは、「採用担当者を丸裸にする!」ことを企業セッションの大きな目的として掲げ、人間の本質に触れられるような、あえて就職とはかけ離れた5つのテーマを用意。そのなかからディスカッションの流れでテーマをひとつ選び、掘り下げていく形で進行していました。

5つのテーマのなかのひとつ、「自分の価値観がひっくり返った瞬間」についてディスカッションが行われた時のこと。参加者たちからは「金髪の人が苦手だと思っていたけど、実際に話してみたら親しみやすかった」「美大系の人間と言われるのがいやで進学するか迷っていたが、実際に入ってみたらとても居心地が良かった」など、次々とテーマに沿った事例が挙げられました。しかし、そこに同席した企業側の採用担当者からは、具体的な事例はほとんど出てこなかったといいます。

このグループの中心的な存在だった糸木さんは、「その担当者自身に“固定概念”があまりなかったので、そもそもひっくり返るような価値観がなかったようでした」と、テーマによってうまく言葉を引き出せなかったことを少々残念がっていましたが、「でも、その方は“固定観念”という概念自体については興味があったようで、その概念についてすごく真剣に話しはじめました。その様子を見て、こういう物事の考え方をする人なんだな、ということはよくわかりました」と、違う意味で「丸裸にできた」ようです。

ちなみに糸木さんは、そのグループで唯一の社会人経験者でした。「いわゆる普通に就活して就職しました。それまでは“どんな仕事をするか”が大事だと思っていたけれど、実際に働いてみて、 “人間関係”が一番大切だとわかりました。その視点でもう一度仕事を探そうと考え、『就活アウトロー採用』に行き着きました」。だからこそ「採用担当者の本質が知りたい」と考え、「仕事の話などを具体的にすると、採用側も若者も就活武装してしまう。その人の根底を知るために人間観など本質的な設問をした方が良いと思う」と予測し、前出のような、あえて就職とは距離のあるテーマをプッシュしたと言います。

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学生が驚くような新しい視点が、企業側から出る

一方、別のグループでは、「面接に代わる採用方法はあるのか?」という、あえて就活についての具体的なテーマでディスカッションが行われました。そのテーマを提案した近藤さん曰く、「前回は人生観など漠然としたテーマが多かったので、具体的な設問にしたいと思ったのと、普通の就職活動のように、会議室などで大勢の人に囲まれながら行われると雰囲気にのまれてしまい、就活武装せざるを得ない」といいます。

そんな近藤さんの考えが影響してか、テーマは途中から「就活武装しなくていい場所でできる採用」に変化してゆき、若者からは居酒屋やカラオケボックスなどの意見が出る中、もっとも近藤さんが感心したアイデアが同席した企業担当者の「オンラインゲームでの採用」だったそうです。その理由を「オンラインでは顔は見えないけれどその分人の本質が見える。そこで交流し、本当に興味を持った段階で実際に顔を合わせるというプロセスもあってもいいのでは」と言い、それに対し若者たちは「新しい視点だし、慣れ親しんだゲームの世界なら自分を素直に出せるかも」と、非常に感心していました。

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そしてもうひとつのグループでは、ディスカッション用に用意されたテーマはなんと約40種! そのなかで「ひとつの能力を手に入れるとしたら」というテーマでディスカッションした際には、「手から原油を出せる」「毎月1万円札が5枚出てくる」「風を操る能力を持つ」「重力を操る」など、若者たちからは自由気ままに話が出て、それぞれにツッコミが入りさらに話が盛り上がるという、楽しげな雰囲気でディスカッションは進んでいました。

ただそのなかで企業の担当者は、「企業における問題解決力があるかどうかを判断したいから、若者たちのことを知ることに徹する」と、自分の話をすることなく、若者たちの話に耳を傾け続けたと言います。結果的に企業担当者の話が聞けなかった訳ですが、参加者たちは「逆にみんなの話を聞くことに徹していて、真面目な性格であることは理解できた」と、したたかに企業担当者の本質を感じようとしていました。

就活アウトロー採用は、抽象的なディスカッションの方が、盛り上がることがよくあります。抽象度の高い哲学的なディスカッションというのは、青臭く、結論もない議論です。それゆえに、時間に追われ効率性を求めがちな採用担当者にとっても、貴重な経験となっているようで、企業セッションの体験をとても面白がってくれています。自社内でもこのような議論、対話をすることが重要だと仰る役員の方もいました。

もちろん、いつもうまくいくとは限りません。企業側も主語が「弊社は・・・」としか言えない人事には、若者たちも惹かれません。若者たちも評論家のような姿勢で、自己開示できないと、同じように企業側には魅力的に映りません。泥臭くも自分のことを自分の言葉で語れるか否かが問われます。

そういう意味において、就活アウトロー採用は決して弱者救済プログラムではありません。既存のフォーマット化された就活では、自分らしさを発揮で来なかった人たちが 抽象的な議論や対話を繰り返しながら、価値観に共感し、信頼関係を築く。その先に採用があるのだと思います。

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